2013.09.07.
アトピー性皮膚炎Q&A アトピー性皮膚炎と食べ物の関係は誤解が?
子供がアトピー性皮膚炎と言われると、『食べ物が原因ではないか?』と心配する親御さんが多いようですが、これには少々誤解があります。食物アレルギーが原因の人はわずか数パーセント。とても少ない数なのです。
アレルギー体質かどうかを調べるために、血液をとって[lgE値」を調べる検査があります。
「lgE値」とは、免疫物質の一種、アレルギーを起こす物質が体の中に入ってくると、それを攻撃するための武器となる抗体で、これが高いとアレルギー体質の可能性が高いと判断します。
アトピー性皮膚炎の子供に、卵や牛乳など、アレルギーの起こりやすい食べ物に対してこの検査を行うと、「lgE値」が高く出る場合は確かによくあります。
しかし、この値が高くても、症状が出ない子どもは沢山いるのです。また、たいていの子どもは乳児期に「lgE値」が高くても3~4歳を過ぎると下がってきます。
このような理由から、安易な食事制限は禁物です。
栄養のバランスが崩れ、子どもが成長不良になったり、食べる食品の種類が少なくなり、同じものを食べることで、かえって食物アレルギーを増やしてしまう危険性もありますので、くれぐれも自己判断はやめ、お医者さんに相談しましょう。
―(財)日本アレルギー協会資料より―